安威川ダム【大阪府】H31.1月~

基礎処理工

安威川(あいがわ)ダムは、大阪府茨木市生保(しょうぼ)地先、淀川水系神崎川の安威川に建設中のダム。

安威川は神崎川に合流して大阪湾に流れる大阪府北部を流れる川であり、古くから洪水に悩まされる地域であった為、堤防築堤等の対策が採られていた。だが1967年に流域を集中豪雨が襲い安威川は茨木市野々宮付近で決壊し死傷が出る大水害に見舞われた。この北摂豪雨を契機として流域の茨木市・高槻市・摂津市・吹田市・大阪市の5市長がダムによる抜本的な河川整備を要求した。
また、大阪市や京都市の近郊のためベッドタウンとして多くの住宅造営が進み、人口密集地域となった。こうした事から上水道需要が増え、水源確保の必要性が生じた。こうして治水ダムとして始まった安威川ダム事業は、多目的ダムとして事業を拡大することになり1976年に計画発表された。だが、水没地域の生保地区は住宅地であり、水没予定住民はダム建設に強硬に反対し補償交渉は難航した。1993年には水源地域対策特別措置法(水特法)の指定を受け補償交渉も決着した。
2014年に本体工事に着手、2021年2月の完成を目指して工事を行っている。
計画発表から現在まで30年経過しており日本の長期化ダム事業の1つである。
型式は中央土質遮水壁型ロックフィルダムで[1]、計画当時の高さは82.5m、総貯水容量22,900,000トンである。安威川・神崎川の洪水調節と不特定利水、茨木市等への上水道供給を目的とした大阪府が事業主体の補助多目的ダムである。